nuruinemuri

タイトルに偽りアリ

時は2021の春 歌はやがて日々を鳴らして進んでいく

朝、彼の家から阪急京都線に乗り、4人がけの座席に座り車窓を眺めていると、斜め前に座ってるOLらしき女の人が、必死でお化粧してるの。最初は、あ〜眉毛だけでも描いてるんかね、と思ったら、15分くらい経っても、まだガッツリアイラインとか引いてんの。マスクで隠れるだろうに、きちんと口紅も引いて。必死なお顔がおもしろくて、これはむしろ何かのパフォーマンスかな?と思ってチラ見していたのだけれど、それも途中で飽きちゃったから、車窓を覗くと、何故だかひどく懐かしくて。

あっこれデジャヴだ!ってふわふわトリップしてさ〜!! どんより曇った空、花びらがほとんど散っちゃった葉桜、この4人がけの座席でさえ、あたしは経験したことがある!と気づいて。そういえば、ちょうど6年前だった。

このイベントを終えたあと、ボイガルカイトさんが突然「走ろうや!」みたいなことを言い出して、ウーララの最寄りのセブンイレブン(今はもうなくなっちゃった)の裏の人通り・車通りがない道で、彼とシンゴさんと、ベランパレード3人(ユリエちゃんは車で休んではった)、なるちゃんで何故か50m走勝負して。ええ大人が何してるんだろう、と思いながら、ランナーズハイなのか、ずっと楽しくて笑ってた。

その後ベラン一行+カイトさんはバンドワゴンで帰り、ボイガルシンゴさんは、未成年2人だし心配してくれて、なぜか3人で西院から烏丸まで2時間くらいかけて歩いた(これが本当に謎。みんな梅田方面へ向かうのに、なぜ逆走した?)。重たいギターをしょってて、ひとりどこかで泊まって休めばいいのに、本当に優しいひとだった。烏丸駅マクド朝マックして、そこから特急に乗って、どんよりとした空に流れていく葉桜を眺めたのだった。

いつの間にかお化粧を終えていたOLらしき女の人は、マスクを上げ直すと、あたしと同じ駅でさっさと降りていった。

何かいろいろあったよな きっとこれからもそうだよ 思い出し笑いで爆笑してる 君のこと、あいつのこと、あの夜のこと。

桜が咲く前の、3月上旬の気温が戻ってきたような、少し肌寒い2021年の4月5日だった。