nuruinemuri

タイトルに偽りアリ

インターネット女の自撮りばかりいいねする男は法で裁かれる

あの子がまんこに錠剤を突っ込んでるうちに、洗濯物は乾き、引退した野球部員の坊主頭はちくちくと伸び、別の誰かの腹の赤ん坊は育ち、台風は過ぎた。涼しくて本当に嫌になる。芽生えかけた恋心の一つや二つもそりゃ冷める。

 

あたしが乗るときのJR神戸線は、なぜかいつも土山〜東加古川駅間で徐行運転になるので、一生実家に帰れないのだ。それでいい。大切にされたいなんて、おこがましいことは思わない。雑に扱ってくれればいい。だからあたしも大切になんてしない、絶対に。

ただでさえ何もない街なのに、喫煙所が撤去されていた。もうこの街には、いよいよ何もない。お終いだ。閉店。閉廷。終了。撤収。一体どうして行き場がない。寂れた百貨店の自動ドアから漏れる化粧品売り場の甘ったるいにおいを嗅いで、無駄に駐車場ばかりが広いパチンコ屋を横目に、男子高校生の盛場の公園を通り過ぎて、実家に着いた。

 

成人してから、というか実家を出てから、母とうまくやれるようになった。それまで母は「母」という生き物だと思っていた。あたしと同じ一人の女で人間だと認識してからは、会話するのが容易くなった。特別仲は良くない。けれど、大人同士として接することができるようになった自分のことは、結構好きだ。

 

突然涼しくなりすぎているので、体を温めるために、缶チューハイを片手に、一人で暮らす家まで歩いた。夏場はすぐにぬるくなるアルミ缶が、飲み終わるまで冷たくて、あたしの大嫌いな秋が始まった。




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ボスに撮ってもらったお気に入りの写真。

バンドと夏はよく似合った。

本当は本当に今すぐやりたい。

他の人とはやらない。

心の中たっぷり濡らして待ってるね。

 

 

 

今日の一曲

大森靖子と来来来チーム / ボーイゾーン