nuruinemuri

タイトルに偽りアリ

結婚した

マツエクやらネイルに行くとき、予約していた浅野です、と言いそうになるが、べつにあたしの名字が浅野だったことは今まで一度もない。平凡だけれど、クラスに2人も3人もいるわけでもない、自分の名字。20数年一緒に過ごしてきたそれと、おさらばしてきた。


一年前のパイ山で、染めたて切りたての髪を肩でぱたぱたと揺らしながら、うろ覚えな君の顔を探した。その前に会ったときはあまりにも酔っ払っていたもんだから。うろ覚えなわけないですよ、みたいなすました顔して、電話をかけたっけ。人混みで見つけた君は、髪を切っていた。「藍ちゃんに会うから髪切ってきた」と、はにかみながら言っていた。悔しくて、あたしも、とは返せず、精一杯にべもない反応をした。三宮のあのうるさい居酒屋で、ほっけを食べたんだった。そのときの君の手が綺麗だと思ったんだ。美味しかったな、あのほっけ。紆余曲折あったけど、あのときほっけを食べていなかったら、君と今も一緒にいなかったのかもしれない。

天邪鬼なあたしは、こないだ君が友達に会いに行く朝、「晩ごはんまでには帰るね」と言っていたのに、何故かその日は落ち込んで落ち込んで1人部屋で延々泣いて、「ごはん食べてくると思ったから用意したないよ」とか嘘ついたのに、「俺が言いそびれてたな、ごめん」と謝らせてしまったとき、もう二度とこの人には嘘をつきたくないと思った。あたしの好きなところ100個言ってと無茶振りしたら、寝つきのいい君が朝の6時くらいまで寝る間を惜しんで振り絞って言ってくれたとき、たくさん喜ばせたいと思った。

 

あたしはもう人と一緒に住むのはこりごりだったし、結婚願望がなかった君がプロポーズをしてくれた夜、まぶたの裏がチカチカと光った。それは暗闇で静かに動く心臓だったのかしら。「君たちはどう生きるか」を観に行ったあとのいつかの晩、「俺はこう生きる!」とか言いながら食べていたポテチの袋を傾けて最後の残りをザザザ〜っと口に入れるような人だけれど、その実育ちが良く、ごはんを綺麗に食べる。この人が誰かの悪口を言うところを見たことがない。でも、あたしが嫌な目に遭ったりすると、自分もそこに居合わせたかのように、あたし以上に怒ってくれる人。誰かが欲しがったら困るので、これ以上は良いところを書きたくない。万が一欲しくなったら、ここにコメント頂戴ね。あたしより良いブログ書く子だったら一旦ちょっと考える。考えた末、敵わないと思ったら、もうどうしようもないので、拳で抵抗するけど。「だますよりはだまされる方がまだいいよ」って歌詞の意味がわかってきた。傷つきたくないけれど、それ以上に傷つけたくないと今なら思うよ。

愛とは、海だと思った。やっとわかった。あたしがたっぷりと、無意識のうちに起こしていたそれは、波として打ち寄せられて返ってきて、今がある。おだやかでいい。凪のときもあるだろう。できるだけ、あたしたちの波が、決してなくならないように。

 

なーんて、米を浸水している間に書いたけど!いつもあたしと仲良くしてくれている、親愛なる皆さまへ。結婚しました。名字以外なんら変わっていないので、変わらず仲良くしてください!

最後に、KANDYTOWN「Local Area」のKEIJUのバースが今の自分にぴったりだと思ったので、今日の一曲として引用して終わります。

 

365 守るものは家族日々隣でしょ

時にAlone だけど広い空どこかに大切な人

何も変わらない 無駄口叩かない

なるべくいつも通り でも昨日と同じじゃない 新しい服着てSmile 

新品のShoes皆で歩く 夢みたいに続くLife

自分の手で変わる未来 また街から街へとFly

過ぎる時間の中でねだる無いもの

何をしても変わらない過去 色褪せぬPhoto

明日何しよう それもいつか走馬灯のよう

だけどやるしかないっしょ

 

f:id:seijunchann:20230821223906j:image