nuruinemuri

タイトルに偽りアリ

一人称が名前の女の子になりたかった

常々思っているのだが、50音の「あいうえお」の最初の二文字で「愛」なの、ヤバくないか。はじめにアイがあった、ってこと?!「所有欲も愛のひとつ」っていうのは、愛の宣教師みたいなあの人が書く曲に出てくるフレーズ。

てか結局、愛とはいったい何なのか。「無償の愛」という言葉があるが、その逆で「有償」の愛もあるだろう。課金したぶんだけ返してもらえる、対価としての愛。お金で買える愛。じゃあ無償の愛とは?一途でい続けること?相手を想って叱ること?“正しい”と思う方向へ導くこと?お腹が痛いときに手を当ててくれることなのか、好きな食べ物より嫌いな食べ物を覚えていてくれることなのか、生理中に口でしてあげることなのか。わからない。

あたしはお人好しの八方美人のくせ捻くれてて、自分が傷付いたら相手にも同じくらいかそれ以上に傷付いて欲しいと思っていた。「そんなことすると君の魅力とかそういうものも傷ついちゃうよ」と諌めてくれた人、その人がいなければ、今頃嫉妬でぐちゃぐちゃに歪んだ悲しきモンスターに成り果ててただろう。あのときはありがとね。束の間でも身に余るほどの愛情を注いでくれた人、美しい人。あなたのその言葉と行動は、間違いなくあたしへの愛なのだと思いました。

 

「一生」とかわからない、そんなものはないと思っていた。「絶対」以外いらない。こわい。今後また、必要以上に傷付くことが。そして、あたしが誰かを傷付けることが。ずっと考えてたい。確かに愛したい。

そうだ、愛することは、信じることだ。信じたいのだ、180°変わった君の発した一言一句を、あたしを想って行動で示してくれたことを。今のあたしなら愛せるし、愛すよ。

 

ずっと一人称が名前の女の子になりたかった。可愛い女の子は、たいてい一人称が自分の名前だったから。あたしの名前は、50音の「あいうえお」の最初の二文字なのに、それを自分に使うのが難しかった。名前に意味なんてないかもしれない、けど両親につけられたそれは、お守りのように、ときに十字架のように、あたしという自己を形成しているように思う。そして、自分でこそ呼ぶことはないが、他人に呼んでもらうたびに、夢みたいに綺麗な響きだとうっとりしてしまう。生まれて二十数年間、何百回、何千回と呼ばれているのに。今では自分と同じくらい愛おしくなったその手を、声を、君が大切にするのと同じくらい、大切にしたいとは思っているんだけれど。

 

 

今日の一曲

大森靖子 / 君に届くな

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いつだか友達が飲んでいたガリチュー、クラゲみたいで綺麗だった。彼女とはクリスマスに京都のすいばで3時間も立ちっぱなしでガリチューを飲んだことがある。あのとき、うちら戦士みたいだったね。何と戦ってたんだろ。来てくれてありがとね。早くまた一緒に飲めますように。