nuruinemuri

タイトルに偽りアリ

ぬるい眠りにさよならを

万に一つの話、自分が結婚することがあるならば「死ぬまでずっと好き」より「いつか嫌になったら離婚しよう」「未来のことは1ミリもわからないけど今好きだからとりあえず、」と言われたい。前者だととにかく据わりが悪くなるだろう。一時の感情で、先の先の先の先の、不確かな大きい約束をする人間ほどこわいものはない。すぐさま手を振り払って、スマホを海に投げ捨てて、別にどこだっていい、とにかく遠いとこまで逃げよう!パスポートは持ってないから、国内で行ける範囲で!ぬいぐるみ(家族)を連れて行こう!明日はないし君はいないし。たまに手紙だけは書くね。現地の綺麗な景色を写真に撮って添えます。

 

中高生の頃は無駄に斜に構えて、イベントに興味ない自分カコイーみたいな気持ちがあったけど、大人になって気がついた。イベントや流行には便乗したら結構楽しい。W杯は観た方が面白いし、M-1は敗者復活から観たら楽しい。連ドラは最終回まで追いかけてさみしくなりたいし、漫画で読んでいてもチェンソーマンのアニメは面白い。クリスマスには街に繰り出して、ソワソワした空気を吸うだけで楽しい。その年恋人がいなかったらきっと「カップルだらけやんけ」とかぼやくけど、ぼやくまでが楽しい。そう思う。御堂筋ドンキの前の路上で、可愛い男の子がクリープハイプの「二十九、三十」を歌っていた。人はたくさん歩いていたのに、あたしを含め、誰も足を止めてはいなかった。通り過ぎた後に、なぜこんな日に、とか、なぜこの曲を、とか、ぐるぐる考えてしまった。どうでもいいけど、すれ違いざまにぶつかって謝らない人間は、中卒です。

 

大人だから一人でも眠れるけど、居てくれた方がよく眠れる。布団があったかいから。寝息が子守唄になるから。寝惚けながら頭を撫でてくれるから。彼は、真冬でも半袖で眠る。あたたかい眠り。もうあたしが蛇にうなされることは、全くなくなったのだ。目覚めて、隣の人の髪のにおいをひとしきり嗅いだあと寝顔を見ると、赤ちゃんみたいなほっぺたや、あたしの5倍くらい高い鼻やらに、あたしの瞼に置かれてたホログラムが移ってて、それはやっぱり無意味なものに変わり果てていた。でも、きらきら光って涙みたいで綺麗だな、としばらく眺めていた。

 

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もうずっとさみしいとか思わなくなった。天邪鬼なわりにロマンチストなもんだから自分に辟易する。

 

でも絶対なんてないでしょ

 

今日の一曲

くだらない1日 / 力水