いつも川で優雅に泳いでいた名前の知らない綺麗な鳥が、オバさんが撒いているパンくずに群がって、狂ったように暴れまわっていた。全然綺麗じゃなかった。頭上に向かって突進してくるし。冷めるときってこういうもんだなと思った。
何かが上手くいっているときは、その先に不幸が起こる前に全て手放したくなる。てかずっとそうやって生きてきた。逃げるの超得意。めんどくさいのが大嫌い。でも、あたしたちはもっと怒ってもいい。待っていた電車に横入りしてくるオバさんにも、無茶な要求をしてくる顧客にも、駅で女にだけぶつかってくるジジイにも、あたしのこと大事にしてくれない人にも、道端で野鳥に餌をばら撒く人にも。
酔っ払って帰って、せっかく伸ばしてた爪も破滅行動で切ってやって、ベースを弾いてたらバンドの曲も意外と覚えてて、楽しくなって、壁ドンもされないし！無敵やん！と、アコギを引っ張り出して、ジャカジャカやって楽しくなって、やっぱり壁ドンもされないし！てか、あたし大森靖子とか聴いたことないですからね。あたしの思ってることあの人に全部先に言われるもん。聴く必要ナシです。って顔で生きたいし、つぶやいたところであたしの言葉になんかなってくれないし、もう絶対歌詞ツイートしませんわ。
大森靖子 / きすみぃきるみぃ
